2011年 08月 23日
![]() 五島プロジェクトは今年も続いています。平成20年度の市全域景観計画の検討、平成21年度の久賀島景観まちづくり計画の検討、平成22年度の奥浦地区景観まちづくり計画の検討に続き、平成23年度は五島市公共事業デザインガイドラインとその運用体制の検討を行っています。 この検討は、五島市の美しい風景に調和した公共事業を推進していこうとする五島市の強い意志から検討が始まりました。福岡大学景観まちづくり研究室(柴田久准教授)との共同研究で行っています。私は、これまで国や学会、自治体でつくられてきたデザインガイドラインを参考としながら、風景と調和した美しい構造物の実現に加えて、そこで暮らす人々のニーズにきめ細かくこたえ、喜んでもらえる、利用してもらえる、市民の暮らしを支える社会基盤整備の推進につながっていくガイドラインとしたいと思っています。 良いものをつくっていこうとすれば、それは最終的には「つくり手」に帰属します。ですから、ガイドラインの内容も大事ですが、それを使う人々の意識、使うプロセス、使う体制が重要になると思っています。ですので、担当者と大学で一方的にガイドラインをつくってしまうのではなく、公共事業に関わる行政職員(技術職員)と勉強会を開催し、意見交換をしながら、ガイドラインの内容を検討していくこととしました。 勉強会の開催に際して、関係各課にお送りした文書は以下のような内容としました。 「建設課では、平成19年の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産暫定リスト登録を契機として、平成20年度より五島市景観計画、重点地区景観計画(久賀島、奥浦地区)、景観まちづくり計画(久賀島、奥浦)の検討、策定を行なってきました。また、あわせて、「堂崎教会駐車場」や「五輪地区への道」等の改修事業において周辺景観に配慮した整備を進めてきました。 こうした一連の取り組みでは、それぞれの地区の住民の皆様と、市民委員会、まちづくり協議会、市民ワーキング、小学校ワークショップ、町内会説明会、個別説明会等の場を設けて、話し合いを進め、住民の皆様とともに考えるプロセスを大切にしてきました。 私たちは、こうした取り組みを通して、景観行政とは、単にものの見た目をきれいに整えることではなく、その地域に本当にふさわしい整備、その地域に本当に必要とされている整備のあり方を考えることだと考えるにいたりました。そして、国の重要文化的景観選定や世界遺産登録も、こうした姿勢の延長線上にこそ実現可能なのだと理解するにいたりました。 そこで、庁内勉強会では、五島市の歴史や環境を大切にしながら、五島市民の暮らしを支える公共事業のあり方を皆様とともに考えたいと考えております。私たちの世代だけではなく、私たちの子や孫の世代まで喜んでもらえるような、より良いものづくりを五島市に一つでも多く実現していきたいと考えています。」 その第1回目が8月22日午後と23日午前に開催されました。職員の参加しやすさに配慮して同じ内容で時間帯を変えて二回開催しました。第1回目は、担当者からの趣旨説明、私から事前に回答していただいたアンケート結果の報告に続き、柴田先生に「景観の基本と五島市の公共事業のあり方」と題して講義をしていただき、皆で意見交換しました。アンケート結果もとても積極的でしたが、意見交換も真剣な質問や意見をたくさんいただきました。 次回は10月20日午後と21日午前に開催予定です。公共事業における住民参加プロセスのポイント、五島市での最近の取り組み(堂崎教会駐車場や五輪の道等)のプロセスを紹介し、また意見交換する予定です。 2011年 05月 20日
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 福岡大学景観まちづくり研究室や鹿児島大学木方研究室と一緒に3年前から主に集落景観に関する調査に参加し、 また景観計画やまちづくり計画等のプラニング、五輪の道のデザイン検討も支援してきた五島市・久賀島。 国の文化審議会は、平成23年5月20日に「五島市久賀島の文化的景観」を重要文化的景観に選定するよう文部科学大臣に答申を行いました。 http://www.city.goto.nagasaki.jp/pc/sekaiisan/news/news_syosai.php?id=54 五島市の景観を活かした地域づくりにとっては大きな一歩になったと思います。 ずっと支援をしてきた私としても、とても喜ばしい出来事です。 協議会に参加して切実に意見をくださった島民の皆さんや、 ともに調査、計画に汗を流した学生のみんなの顔が思い浮かびます。 地域づくりは30年が基本。まだまだこれからですから、これからも着実に一歩ずつ進んでいくよう、 五島市の取り組みを出来る限り支援していきたいと思います。 なお、久賀島については、6月11日(土)に開催される風景デザイン研究会の第6回風景デザインワークショップ・連続討論会で、 五島市文化推進室の松崎様と私をパネリスト、九大の田北先生をコーディネータとして主に地域づくりをテーマとして議論します。 興味のある方はぜひご参加ください。 2011年 05月 08日
堂崎教会駐車場落成式が五島市のHPでも紹介されています。 ぜひご覧ください。 http://www.city.goto.nagasaki.jp/pc/sekaiisan/news/news_syosai.php?id=53 2011年 05月 08日
〔堂崎教会駐車場について〕 五島市福江島堂崎地区にある堂崎教会は、その歴史的経緯からも、市民の心情的にも五島のキリスト教における中心的な存在といえます。そうした堂崎教会は、五島観光の名所のひとつとなり、イベントなども行なわれ、地区は以前から観光地としての性格をもってきていました。 昭和50年代、海岸線を埋め立て、それまで人ひとりが通れるくらいであった教会の海側の道が拡幅され、駐車場も整備されました。子供が遊んだり、カンコロ棚に芋や魚が干され、地区住民の日常的な空間であった海岸線は、観光のための空間としての性格を強くしました。 駐車場の改修事業に関わった設計チームは、今回の駐車場の改修整備が観光客のためのもの、つまり単なる駐車場の整備にとどまらずに、地区住民にとっても日常的な憩いの空間となるような空間整備を目指しました。加えて、将来的に国の重要文化的景観選定、世界遺産登録を目指す地区(堂崎教会が世界遺産の構成資産の候補)であるため、周辺環境、地区の歴史や文化と調和させるために、多くの検討を積み重ねました。さらには、五島の地場の材料を使うことにもこだわりました。この辺の設計の詳細は、設計者であるeauのホームページを参照してください。 この駐車場の整備では、その検討プロセスにおいて地区住民と丁寧に話し合うことも大切にしました。「堂崎ワーキング」という協議の場を設け、模型を囲みながらのデザイン検討、駐車場に貼るタイル焼を製作するワークショップを行ないました。 そしていよいよ駐車場が完工し、落成式を迎えました。式は駐車場で行なわれ、約80~90人の大勢の市民が集まりました。住民の方々も皆とても嬉しそうな様子で、設計チームの皆さんも充実した顔立ちでした。東京からかけつけた設計者のeauチームが、天候のために遅れるアクシデントもありましたが、やはりこういう時間を共有することは、これからまだまだ長く続く五島の地域づくりのなかで、立ち戻れる場所、振り返ることが出来る場所となるのだなと感じました。 五輪の道、堂崎駐車場の二箇所で様々なことを感じ、とても充実した一日となりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2011年 05月 08日
「五輪の道」について 五島市久賀島で唯一車でアクセスできない五輪集落については、以前より久賀島島民から道路建設を求める声がありました。五輪集落にアクセスするには、船で直接行くか、人だけが通れる未舗装の山道を通る必要がありました。この山道は、木の根や石が多く、特に雨の日には危険性が高く、五輪集落の方々が、生活上ずいぶんと不便をされていました。 そこで、平成21年度に五島市と九州大学などが事務局となって設置した「久賀島まちづくり協議会」において、この道の整備のあり方の検討を行ないました。生活上必要な道の機能を十分に満たすのはもちろんのこと、周囲が国立公園であり、また国の重要文化的景観選定、さらには世界遺産登録をめざしている地区(旧五輪教会が世界遺産の構成資産の候補)において可能な整備について議論を行い、大学側からも模型等で提案を行い、歩道として整備することとなりました。なお、「五輪の道」というのはこの道の通称です。 そしていよいよ平成22年度から実施設計と工事を開始しました。周辺の景観や環境、地区の歴史に調和し、整備したかどうかさえわからないような道、しかし高齢者でも歩きやすい道を目指し、特に寸法や素材について市担当者自身が、大学からのアドバイスのなかで膨大な量の検討を行いました。 土系舗装に使う土については、当初標準的なものを使う予定でしたが、現地で検討してみたところ色が明るかったため、見直しを行いました。試行錯誤しているなかで、近くでおきた土砂崩れの土を使って試験施工してみたところ、周囲とうまくとけこんだためこれを採用しました。2箇所ある階段部に使用した石についても同様の検討を行いました。 施工現場でも何度か打合せを行いましたが、担当者と施工業者の丁寧な施工により、ついに素晴らしい道が完成しました。全区間完成後はじめて歩きましたが、関係者のみなさんの仕事ぶりに敬意の念でいっぱいとなりました。 ![]() ![]() ![]() 当初丸太の予定でしたが、久賀島の石の文化にあわせたデザインとしました。 階段のステップの寸法は、高齢者でも歩きやすいようにずいぶん検討しました。 また、住民が農作業等のために一輪車で荷を運ぶため、階段は幅員の半分程度にしています。 ![]() あんまり歩きやすいので、思わず肩を組んでいました、笑。 整備前ならこんなことはまずできませんでした。 ちなみに、左の竹森君は、この4月に福大から五島市役所に就職しました。 右の梅田君は福大の修士二年。いまや五島チームのエースです。 今後の二人の活躍に期待です。 2011年 03月 09日
![]() 五島で進んでいる堂崎教会駐車場整備のアドバイザーである篠原先生が現場打合せに来られました。 設計者であるeauの崎谷さんらや福大チームとともに現場で検討をしました。 ![]() 工事は着々と進められています。地元住民にとっての広場的空間にもなりえる素敵な駐車場になりそうです。 住民の皆さんともWGで検討を重ねてきました。喜ばれるとよいなと思います。 ![]() 翌日は、五輪地区にアクセスする道の改修事業の現場にいきました。 これは市職員自身が設計し、私がアドバイザーをした整備です。 整備直後から周囲の景観に馴染むものとなるように、計画や寸法、素材に十分に気をつけ、 近くでたまたま起きた災害で発生した石や土を使用して舗装と階段整備を行ないました。 まだ、4分の1くらいでしたが、きれいに整備されており、全区間の完工が楽しみです。 今は土系舗装の養生中でしたので、写真ではわかりにくいですが、また報告します。 ![]() 最後は、旧江上小学校グランド整備の現場を確認しました。こちらは既に完工済でした。 ディテールではうまくアドバイスの意図が伝わっていないようなところもありましたが、 骨格のプランはきちんと反映されていました。 駐車場で車を降りたら、まず江上教会を正面から見ることになります。 そして、角度を変えながら近づいていく動線計画は、よく機能していると思いました。 二日間、先生や皆さんとともに現場をまわり、様々な議論、話をして、 得るところの多い、充実した時間を過ごすことができました。 2010年 07月 28日
![]() 住民への報告と意見交換を行ないました。 事務局から模型を提示して、デザインの工夫点や想定している利用方法などをご説明しましたが、 概ね良いものとして受け止めていただいたようです。 閉校になった小学校の活用をできるところから進めて行こうという意見が多く、 今後の官民協働による地域づくりへのステップになればと思っています。 模型は、九大で作成したものと、鹿児島大学の木方研の皆さんが作成してくれたものを合体しました。 教会や司祭館、小学校がとてもよくできていて、模型全体のグレードがずいぶんあがりました。 寸法などもぴったりでした。木方研のみなさん、ありがとうございました。 2010年 07月 12日
7月12日に第3回堂崎ワーキングが行われました. 今回は,前々回と前回の堂崎ワーキングによる堂崎住民の方々と事務局〈(有)イーエーユー,(株)文化財保存計画協会,五島市文化推進室・建設課,大学〉の意見を踏まえた,堂崎教会駐車場の最終デザイン案の提示を行いました. ![]() 堂崎住民の方々も納得していただけたようで,協議はスムーズに進み,最終案に対する大きな変更点もなく進行することができました. 今後も,堂崎住民の方々に施工状況を確認していただくなど,堂崎ワーキングを継続して行っていきます. また13日には,旧江上小学校グラウンド整備と奥浦建物調査,久賀島の五輪地区までの遊歩道整備について,打ち合わせを行いました. ![]() 旧江上小学校グラウンド整備に関しては,模型を小川君と鬼塚君に作成してもらいました. 打ち合わせは,模型のおかげで,五島市の方にもわかりやすく伝えることができました. 今後もこの模型は活躍するだろうと思います. 小川君と鬼塚君,ありがとうございました. 3つの打ち合わせを終え,3つの事業がいよいよ本格的に始動しました. 今後も,こちらの詳しい内容及び,動向についても報告していきますので,よろしくお願いいたします. 2010年 06月 23日
6月15日,奥浦まちづくり協議会設置の説明のため,戸岐で行われた町内説明会に参加しました. 多くの方が集まっており,戸岐の現状を踏まえた意見,アドバイスがいただけました. ![]() 16日には第2回堂崎ワーキングが行われました. 堂崎ワーキングは,世界遺産の暫定リストにのった堂崎教会がある堂崎地区の住民と協議を行なう場です。 現在は、教会駐車場の修景デザインを住民の方々と考えています. 設計者は(株)文化財保存計画協会と(有)イーエーユーです。 第1回堂崎ワーキングでは,住民の方々から駐車場の現状などの情報をいただいており, それを踏まえ,今回は事例とデザイン案を提示し,住民の方々から意見をいただきました. ![]() また,堂崎ワーキングに向かう前に,外海から五島に移住してきたキリシタンが上陸したと言われる 六方(むかた)の海岸に寄り,みなさん思い思いの行動をとっていました. 自然と歴史がその場所から伝わってくるように感じました. ![]() 2010年 05月 21日
奥浦まちづくり協議会設置のために,5月17日に宮原,戸岐向. 18日には,平蔵の町内説明会が開かれました. 説明会では, 世界遺産についてや奥浦まちづくり協議会の説明が行われました. その後,説明の内容や地域の課題をざっくばらんに意見交換しました. 宮原地区の様子 ![]() 戸岐向地区の様子 ![]() 平蔵地区の様子 ![]() どの地区でも,漂着ゴミや不法投棄等の生活環境に関する問題など,貴重なご意見を多くいただきました. 今後は,町内説明会を継続し,あわせて関係者ヒアリング、現地調査を実施し、秋頃を目途に奥浦まちづくり協議会を設置します. また,当初18日に帰福するはずだったのですが, 天候不順のため飛行機が飛ばず,19日の1便で帰ることとなりました. 19日の福江空港はいつも以上に人が多く,混雑しておりました. ![]() < 前のページ次のページ >
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